尋常ではないぐらい頭の悪いエンジニア その2
私 お客さんから渡された試験仕様書を何度か読み直してみると、試験項目の2つが同じ内容であることに気が付きました。 2つ同じ項目があるので、片方の項目を試験不可としてお客さんに申請する必要があります。 そうしないと、後でお客さんから「試験しているのに何故気づかないの?本当に試験してるの?」と指摘されるかも知れません。 試験仕様書はハッタリ主任の担当なので、ハッタリ主任に報告しよう。 (メーリングリスト)2つ同じ試験項目があるので、片方は試験不可として申請をお願いいたします。(送信) (ハッタリ主任が速攻でキター!) ハッタリ主任 (叫び)「どういうつもりだ! 今まで試験出来ない項目を、オマエは試験出来る項目だと報告していたのか! 今更お客様に試験出来ないと報告出来るわけがないだろ! どういう理由があってもこの項目は試験してもらうからな!」 (ハッタリ主任が去っていった。) 私 へ? 試験の担当者はアナタですよ?バカなの? (ハッタリ主任がまた来たぞ。) ハッタリ主任 (叫び)「今更お客様に試験出来ないと報告はしない!今からオマエが他の部署に電話をして、試験方法が無いか、聞いて回るんだ!」 (ハッタリ主任が去っていった。) 私 そんなことをしたら私がハッタリ主任の仲間だと思われてしまう!こんな人の仲間だと思われたくない… でもこの2つの項目をよく見比べてみると、微妙に言い回しが異なるような。 これを拡大解釈して、実は別の機能の試験でしたとごまかしてハッタリ主任に報告しておこう。 これで私がハッタリ主任の仲間だと思われることもないだろう。 でもその為にはやはり裏づけが必要になるな、この機能を担当しているN社部署2に電話で聞かないとダメだ。 N社部署2が発行した仕様書を見ると…なんと!この項目と全じ機能があるぞ。 早速N社部署2に電話をして、必要なデータを貰おう。 私 (電話中。) 「もしもし、いま試験仕様書の試験方法を調査しております。N社部署2の機能を試験仕様書のように動作させるには、どのようなデータが必要でしょうか。」 不思議君 「えーと、そんなこと出来ません。」 私 えっ? 「貴方の部署から発行されてる仕様書には、可能と記載がありますが?その為のデータが必要です。」 不思議君 「ハァハァ…ゴホゴホ。」 私 「もしもし、貴方の部署から発行された仕様書のXページのX行目に書いてあります。」 不思議君 「えーと、へーそうですか。待ってください。できるかも知れないですね。えーと…」 (沈黙) 私 「出来ますか?」 不思議君 「はい、出来ます」 私 「では、データを頂けますか?」 不思議君 「えーと、出来るのかな…。ハァハァ…ゼェゼェ…」 (沈黙) 私 「もしもし?では調査をして頂いて、後ほどご連絡を頂けますか?」 不思議君 「はい、後ほどデータをお渡しします。」 私 「有難う御座います、宜しくお願いいたします。」 (電話を切る。) なんだか頼りないけど、これで試験が出来そうだな。 (1時間後。不思議君から電話が来たぞ。) 不思議君 「調査しましたが、出来ません。」 私 …。 「では何故、貴方の部署から発行された仕様書には記載があるのですか?」 不思議君 「えーと…ハァハァ…ゼェゼェ…。」 (沈黙) 「はい、出来そうです。スーハースーハー。」 (沈黙) 「わかりません。これは私の部署の機能ではありません。」 私 へ? 「では、何故仕様書に書いてあるのでしょうか?」 不思議君 「ハァハァ…ゼェゼェ…。」 (沈黙) 「解りません。」 私 …。 「調査して頂いて、有難う御座いました。失礼いたします。」 (これ以上電話をしても時間の無駄なので、電話を切る。) 不思議君はいったい何者だんだ?でもこれで道は途絶えたな… ハッタリ主任 (ハッタリ主任がキター。) (叫び)「調査状況はどうなってるんだ! 絶対に試験をしてもらうからな!」 私 試験をするのは、私ではなくて担当者のアナタなのですが? アナタ、頭がオカシイですよ? 「N社部署2に電話をしましたが、試験方法はないそうです。」 ハッタリ主任 (叫び)「どうするつもりなんだ! お客様に試験出来ないとは絶対に報告できないからな! 試験方法を絶対に調査しろ!」 私 はい?? なに言ってるんだ。 試験出来ないではなく、同じ試験項目が2つあると報告したのだが? バカなのか。 (上司Aが来たぞ。) 上司A 「どうしたの?」 ハッタリ主任 (叫び)「この担当者は試験出来ない項目を試験出来ると報告していた! お客様に試験出来ないとは絶対に報告できない! 試験方法を絶対に調査してもらう!」 上司A 「メールを見ると、同じ試験項目が2つあるので片方は試験不可で申請するように書いてあったけど、それではダメなの?」 私 あれ?突然ハッタリ主任がおとなしくなったぞ。 ハッタリ主任 「なるほど、やっと解りました。同じ試験項目が2つあるのですね、では片方を試験不可としてお客様に報告しておきます。」 (ハッタリ主任が去っていった。) 私 それは私が真っ先に報告しているダロ!何故それで納得するんだ! <<前のページへ戻る <<TOPページへ戻る |