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(25/26話)自爆テロを決行するも自分だけ死亡

私は3つの作業を同時に受け持つことになりました。
3つ同時に受け持つのはさすがに無理だと言うことで、この中から1つはリーダーと担当者Aが基本設計まで行い、リーダーの基本設計が終われば、私が引き継いで詳細設計以降の作業を行う段取りとなりました。でも、リーダーと担当者Aは仕事を行おうとしません。

設計作業は行われず、プロジェクトはコケました。そして今では、NEC系列会社のリーダー様と鈴与シンワートのリーダー様がパワハラ行為を繰り返して、その罪を私に擦り付けようとしています。

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未だ基本設計は始まっておらず、何を作ればよいのか判りませんが、試験が始まりました。

(担当者Cと私の担当箇所)

単体試験は私ではなくて、試験担当の人が行います。試験担当の人から何度か質問を受けたのですが、私には仕様が判りません。判りませんと答え続けたところ、単体試験は完了しました。
前回の進捗会議で「正常系で再現できない処理は、机上でプログラムを目視チェックする。」というルールが決まったので、それが適用された形になります。障害は見つかりませんでした。

(担当者Bの担当箇所)

担当者Bは今まで進捗が殆どありませんでしたが、リーダーがヘルプに入ったことで、いつのまにかプログラムは動くようになっています。今から担当者Bよりプログラムのレビュー依頼が来るはずなので、前もってプログラムを確認しておくことにしましょう。

ああああ、これはマズいです。
前回のレビューで見たときは、既存処理で計算済みの値を再計算する無意味なプログラムだったのですが、その再計算処理が至る所に増殖しています。ループかサブルーチン化するべき処理を、それをせずに、同じ処理がベタベタ貼り付けられています。イベント送受信スレッドに、重い処理が幾つも貼りつけられています。

リーダーの見積もりが10,000Lなので、200Lのプログラムを10,000Lへまで水増しするには、ある程度は仕方のないことです。しかしながらイベント送受信レッドへ重い処理を入れると、上位層からのイベントを受け取れなくなるので性能問題が発生します。これは致命的なバグなので直さなくてはいけません。

直す場合は、重い処理は既存処理と同様に別スレッドへ移動、この重い処理は処理1パスに対して何度も行う必要はなく、1度だけやれば良いです。あと、プログラム見積もり10,000Lなのですが、2,000Lぐらいしかないのが気になります。

担当者Bからレビュー依頼が来るのを待っていましたが、いつまで経っても来ません。試験に使う機材の電源は落ちたままになっており、担当者Bは試験担当者への引継ぎを行っていません。

どうやら担当者Bは、このまま逃げ切る模様です。

(結合試験)

知らないうちに、並行して結合試験も行われていました。まあ、単体試験の開始が遅れていただけなのですが。結合試験で指摘された障害はありませんでした。

6つのチームが参加する大きなプロジェクトでしたが、他のチームからの指摘はナシ、NEC本社からの指摘もありませんした。基本設計を担当しているリーダーはまだ全く仕事をしていないため、何を作れば良いのか判りませんが、たぶん、私の作ったプログラムは全ての要求仕様を満たしています。

(状況確認)

仕様が決まっていないのに、単体試験と結合試験が完了してしまいました。
動いてしまったものは私からは、もうどうすることも出来ません。

NEC系列会社のリーダー様の業務放棄や、鈴与シンワートのリーダー様のサイバーテロにより、状況は壊滅状態にありましたが、意外にも軌道修正を行うことができました。一時はどうなる事かと考えていましたが、このチームの今期の作業はこれで完了です。

作業遅延により発売予定日まで1ヵ月を切ってしまい、ギリギリのところまで来てしまいましたが、あとは待機しておけば良いだけです。 チームの皆様、お疲れさまです。
本当に良かったです。

あっ。

担当者D(鈴与シンワートの人)は未だプログラムの作成中です。

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