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(18/26話)自爆テロを決行するも自分だけ死亡

私は3つの作業を同時に受け持つことになりました。
3つ同時に受け持つのはさすがに無理だと言うことで、この中から1つはリーダーと担当者Aが基本設計まで行い、リーダーの基本設計が終われば、私が引き継いで詳細設計以降の作業を行う段取りとなりました。でも、リーダーと担当者Aは仕事を行おうとしません。

設計作業は行われず、プロジェクトはコケました。そして今では、NEC系列会社のリーダー様と鈴与シンワートのリーダー様がパワハラ行為を繰り返して、その罪を私に擦り付けようとしています。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

私は設計進捗ゼロの状態から超突貫の3日でプログラムを作成したので、納品したプログラムにはバグが19件見つかっています。こんな大量のバグを発生させればNEC本社から問い合わせの電話がかかってくるはずなので、そこでリーダー達の不正行為をチクって気を晴らす計画です。

早速、NEC本社宛ての報告書を作成しました。でも念には念をいれておこうと思います。
報告書へ「設計が進んでいない状態から、プログラムを突貫で作成したため、品質が悪くなっています。」と追記しておきました。こんな最低な報告書を提出する人は居ないはずなので、すぐに電話がかかってくるはずです。電話がかかって来るのがとても楽しみです。

報告書をNEC本社へ提出する際は、リーダーを経由して提出する決まりとなっているので、先ずはリーダーへ報告書を回覧しました。

すぐにリーダーから私の元へ、報告書が差し戻されて来ました。
リーダー曰く、余計な記載を削除するようにだそうです。

報告書をNEC本社へ提出するにはリーダーを経由するしかないので、仕方なく「設計が進んでいない状態から、プログラムを突貫で作成したため、品質が悪くなっています。」を削除して、再度リーダーへ回覧しました。これを削除したとしてもバグ19件はかなりのインパクトなので、この報告書の効力は変わらないはずです。

(進捗会議)

今日は部長も進捗会議に出席しています。

NEC系列会社のリーダー様
  「全てのバグを報告書へ書く必要はありません。」
  「軽微な物は書かずに、致命的なものだけを書くようにして下さい。」

鈴与シンワートのリーダー様
  「修正しないと動かないものだけ報告書へ書いてく下さい。」
  「そうでないものは削除して下さい。」


  「報告書には、致命的なものしか書いていませんが?」
  報告書に全て致命的と書いてるだろ、読んでないのか。

鈴与シンワートのリーダー様
  「バグ19件は多すぎるので、このままだとすぐに計画値を超えてしまいます。」


  しるか。

NEC系列会社のリーダー様
  「実は設計書を2つに分けて提出する予定です。」


  はあそうですか。

NEC系列会社のリーダー様
  「次回に発行する設計書にもバグを計上しますので、バグの半分は今回、残りは次回の設計書へ計上してください。」
  「今回はプログラム作成時(プログラムは私の担当)に発生したバグだけを計上して、残りの設計バグ(設計者はリーダー)は次回に計上してください。」


  うわあ、やられた、これ。

バグ19件の報告書は相当のインパクトがありましたが、その半分、しかもプログラム作成時のバグだけになると、ただの頭の悪い人が作った報告書になってしまいます。NEC本社からクレームの電話がかかって来る可能性は、ぐんと少なくなってしまいました。
報告書はまた差し戻しになりました。リーダーを経由しないとNEC本社へ提出できないので、仕方なく報告書から半分のバグを削除して回覧しました。

(数日経過)

いつまで経っても、次回の設計書とやらが作成される気配がありません。

(進捗会議)

今日も部長が進捗会議に出席しています。


  「次回の設計書とやらに、バグの残りを計上したいのですが、いつになったら作成するのですか?」

鈴与シンワートのリーダー様
  「設計書は最初から1つしかありませんが。」


  は?
  「前の進捗会議では、2つに分けて設計書を作成すると言ってましたが。」
  「どういうことですか?残りのバグはどうするのですか?」

部長
  「わざわざ設計書を2つに分ける必要はなく、1つで良いという事になりました。」

NEC系列会社のリーダー様
  「そういうことなので、残りのバグも報告する必要はなくなりました。」
  「これで問題ありませんか?」

部長
  「はい、問題ありません。」


  ああああ、ああああ、ああああ。

でもこれ、部長が来ているということは、会社ぐるみの品質偽装なんだけど。

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